SUBARU SAMBER KS-4

 「農道のポルシェ」 ことリアエンジンリアドライブである。

 亡き父が日常の足としてサイズ拡大前の550cc4WDモデルのハイルーフ車を愛用していた。いよいよ整備しても調子が戻らない状態となり、やはりハイルーフが良いとの希望で後継モデルを探し、新潟からやってきていた。

 その後当方の年金生活への環境変化もあり、日常の足として206CCの代わりに乗り回すこととした。動かしてみると、エンジン周りからオイルが漏れていた。パッキン劣化だろうかとよくよく見ると、オイルフィルターのケースが錆びて穴あき状態。まずはエレメントとついでのエンジンオイル交換で漏れは止まった。しばらくしてウォーターポンプ辺りからの異音で、いつもの整備屋さんで交換する事に。1990年モデルなのでそろそろ30年落ちと云うことで、ついでにベルト類一式も交換し、これでまずは一安心。その後、低速側ギアが入りにくく、ひょっとしたらこれまでギアオイルも交換されていない可能性もあり、ネット先達情報を元に交換を試みたがリフターも無くシャーシ下部の狭い空間で一苦労。4WD故前輪側デフのギアオイルの交換も挑戦したが、先の長いお好み焼き等のソース差し容器でブチュブチュと少しずつなんとか注入。これが効果てきめん、入りにくかった1速2速ギアがスムースに入るように。無塗装黒色バンパーの経年白化はネット先達情報から100均メラミンスポンジでゴシゴシ、嘘みたいに新品黒色状態。ケミカル(クレポリメイト)で仕上げ。ドアノブ内側や車体アチコチの錆は錆転化剤スプレーでタッチアップ。ヘッドライトがシールドビームタイプで色温度を好みの4200K程度にしたい事もあり、H4タイプへ変更、ランプ表面がフラットになりフロントの印象に変化が。軽トラはハイマウントストップランプが無く、視認性の悪い荷台下部のストップランプだけでは心許ないので後付けハイマウントストップランプを室内後ろ窓へ装着(我が街では時々同好の士を見かける)。タイヤはトレッドはあるもののよくよく見れば十数年経ていると云うことで、最安国内メーカー品を手に入れ、タイヤチェンジャーなど無い中ネット先達情報を元に手作業脱着組込に挑戦。さすがに廃タイヤ処理やバランスは持ち込み可能なタイヤ専門店さんへ。交換後の印象は、猫足の如し。また、ラジオがAMだけなので激安中古FM付きへ変更後スピーカーも左右へ取り付け、mp3 FMトランスミッターでお気に入り曲を楽しんでいる。更に助手席側へ100均洗濯かごをロープで縛り付け、買い出しレジ袋や書類カバン入れとして重宝。

 軽トラ、小回りが利いてとても重宝している。日常の市内用足しや買い物の足だったり、広報各戸配布の為に地区内の狭い路地などを通る事も多く、206CCだったら通れないと云う場面に出くわす。更に草刈り機を積んだり花の鉢植え運びなど、出番は多くほとんど常用となっている。エクストラローギア付きなので、前進6段、後退1段そして4WDと好き者にはたまらない。ただしエアコン無し。例によって、エンジンをビュンビュン回しながら早2年近く。最近ストレス無くいい感じでのクルージングを楽しんでいる。

 二十数年前、ロスのハイウェイで見かけたボディ全体がサビサビながら疾走していたポルシェ、日本と違った車の扱われ方が印象深く今でも思い起こされる。また千年津波被災一週間後に入った時に、道路際に除けられたばかりのうずたかく積まれたがれきに紛れていたポルシェ、たびたび訪れる毎に見かけては襲ったであろう津波のシーンが思い起こされた。


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